
譲渡所得と税率の違いは?不動産売却でいつ売るかも解説
不動産を売却した際にかかる税金は、思わぬ負担となることが多く、不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
特に「譲渡所得の税率」は、所有期間や売るタイミングによって大きく異なります。
本記事では、譲渡所得の基礎から税率の違い、売却時期の見極め方、さらに節税に役立つ特別控除の制度まで、北名古屋市で不動産売却を検討中の方に向けて、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。
譲渡所得とは何か、不動産売却における基本的な考え方(譲渡所得の意味と計算の概要)
不動産を売った際に課される税金の基本となるのが「譲渡所得」です。譲渡所得とは、売却価格から「取得費」と「譲渡費用」を差し引いた差額です。取得費には購入時の代金や仲介手数料、改修(改良)費用などが含まれ、建物の場合は経過した減価償却費を控除します。取得費が不明な場合には、売却価格の5%を概算取得費として用いることも認められています。
また、譲渡費用には仲介手数料、測量費、印紙税、取り壊し費用、立退料などが含まれます。こうして求められた譲渡所得が課税対象となり、確定申告の際に申告が必要です。
以下は、譲渡所得の計算に用いる主な項目を簡潔にまとめた表です。
| 項目 | 内容の例 | 該当する費用 |
|---|---|---|
| 取得費 | 購入代金+仲介料+改修費 | 購入時の諸費用、減価償却費控除 |
| 譲渡費用 | 売却に伴う費用 | 仲介手数料、印紙税、取り壊し費用など |
| 譲渡所得 | 売却価格−取得費−譲渡費用 | 課税対象となる利益 |
譲渡所得は、「収入金額(売却価格)」から取得費と譲渡費用を差し引いて算出され、これが課税対象になります。所得がある場合には、売却した翌年の確定申告期間(通常、2月16日から3月15日)に申告を行い、税金を納める必要があります。

短期譲渡所得と長期譲渡所得の違い(税率と所有期間の見極め)
不動産を売却するときに課される「譲渡所得税」は、所有期間によって〈短期譲渡所得〉か〈長期譲渡所得〉かに区分され、その税率に大きな違いがあります。
まず、どちらに該当するかの判断基準は「売却した年の1月1日時点での所有期間」であることがポイントです。
つまり、たとえ売却時点で「5年以上所有している」と見えても、1月1日時点でまだ5年を超えていなければ短期譲渡所得とみなされますので注意が必要です。例えば、2019年5月1日に取得し2024年8月に売却した場合、見た目では所有期間は5年以上ですが、2024年1月1日時点では約4年8カ月なので、短期譲渡所得の扱いになります。
次に、税率の違いを以下の表に整理しています。
| 区分 | 所得税(+復興特別所得税) | 住民税 | 合計税率 |
|---|---|---|---|
| 短期譲渡所得(所有期間5年以下) | 約30%(+復興特別所得税約0.63%) | 約9% | 約39.63% |
| 長期譲渡所得(所有期間5年超) | 約15%(+復興特別所得税約0.315%) | 約5% | 約20.315% |
短期譲渡所得では合計で約39.63%、長期譲渡所得では約20.315%の税率が課されることになり、税負担には大きな差が生じます。
北名古屋市で不動産売却をお考えの方は、ご自身の所有期間が売却した年の1月1日時点で5年を超えているかどうか、まずは確認することが節税を意識するうえでの重要な第一歩となります。

売却のタイミングと所有期間の調整による節税のポイント
不動産売却において「いつ売るか」は節税に直結します。税率が大きく異なるため、売却のタイミングを工夫するだけで、支払う税金をかなり抑えられます。とくに「売却した年の新年(1月1日現在)に所有期間が5年を超えるかどうか」が非常に重要です。たとえば、実際には取得から5年を超えていても、売却年の1月1日時点で5年未満なら、税率は約39.6%の短期譲渡所得扱いとなります。一方、1月2日以降に売却すれば、長期譲渡所得の約20.3%の税率で済み、節税効果が大きくなります(税率は所得税・住民税・復興特別所得税を含む)。
具体的に「いつ売ると長期譲渡所得になるか」を判断する方法としては、まず取得年月日から5年を超える年に「6年目の年の1月1日」を通過しているかを確認します。たとえば、2019年7月に取得した不動産であれば、2025年1月1日時点では5年を超えているので長期譲渡所得となりますが、同じ物件を2024年12月に売却すると短期譲渡所得になります。売却タイミングのわずかな差で税率が倍近く変わることがあるため、スケジュール調整が節税上の要になります。
北名古屋市で不動産を売却される方にとっても、上記の考え方は同じです。所有期間を意識して売却時期を慎重に選ぶことで、長期譲渡所得の税率(約20.3%)の適用を狙うことができます。以下の表は、売却タイミングによる税率の違いをまとめたものです。
| 売却時期(基準:売却年の1月1日時点) | 所有期間の判定 | 適用される税率 |
|---|---|---|
| 取得から5年ちょうど(1月1日現在)未満の売却 | 短期譲渡所得(5年以下) | 約39.63% |
| 取得から5年超の年の1月1日以降に売却 | 長期譲渡所得(5年超) | 約20.315% |
このように、取得から5年をわずかに超えたタイミングで売却すると、税率がほぼ半分になるため、節税効果が非常に大きくなります。北名古屋市で売却を検討中の方は、取得年月日から「6年目の年の1月1日以降」の売却を目指すことで、賢く節税できる可能性があります。
節税につながる制度・控除の活用(特別控除など)
北名古屋市で不動産売却をご検討中の方へ、税負担を抑えるうえで活用いただける主な制度・控除についてご紹介します。
まず、居住用財産を売却する際に代表的な制度として、「居住用財産の三千万円特別控除」があります。これは、ご自身または以前住んでいた住宅とその敷地を譲渡する場合、譲渡所得から最大三千万円を控除できる制度です。この控除を活用すれば、譲渡益がその額以下なら課税対象がゼロとなります。
たとえば、譲渡所得が二千万円の場合には、控除後は課税所得がゼロとなり、課税が免除されます(申告要) 。
次に、「所有期間十年超の軽減税率の特例」があります。譲渡した年の一月一日時点で所有期間が十年を超えている場合には、譲渡所得六千万円以下の部分に対して所得税および住民税の税率が低減され、合計14.21%で課税されます。
この特例は三千万円特別控除と併用可能で、大きな節税効果を期待できます 。
さらに、「特定居住用財産の買換えの特例」も注目です。ご自宅を売却し、その売却益を将来の売却まで課税を繰り延べる制度です。たとえば売却益が四千万円発生し、それを新たな住居購入に充てる場合、売却時は課税されず、買換えた住居を将来売却した際にまとめて課税されます 。
以下に制度ごとの概要を表でまとめましたので、ご自身のケースで適用可能か確認してみてください。
| 制度名 | 概要 | 主な要件 |
|---|---|---|
| 居住用財産の三千万円特別控除 | 譲渡所得から最大三千万円を控除できる | 自身が居住中または以前住んでいた住宅で、売却時期や関係者への譲渡などに制限あり |
| 所有期間十年超の軽減税率の特例 | 譲渡所得六千万円以下の部分に税率14.21%を適用 | 一月一日時点で所有期間が十年超であり、親族への譲渡でないことなど |
| 特定居住用財産の買換えの特例 | 譲渡益の課税を将来に繰り延べ可能 | 売却と買換えを同年内など、一定の要件を満たす必要あり |
北名古屋市でご自身の不動産売却を検討されている方は、ご自身の所有期間や売却益の額、売却するタイミングなどを照らし合わせ、これらの制度の適用可否や節税効果を検討してみてください。適切な制度選びが、大きな税負担の軽減につながります。

まとめ
不動産を売却する際は、譲渡所得の計算方法や税率の差、売却タイミングが大きなポイントとなります。短期譲渡所得と長期譲渡所得では税率が大きく異なり、所有期間の見極めが節税の鍵です。また、居住用不動産の特別控除など、条件を満たすことで税負担を軽減できる制度も存在します。不動産売却に関する税金は複雑ですが、基本を理解し、一つひとつ確認しながら進めることで安心して取引を進めることができます。自分の状況に合った最適な方法をしっかり見極めましょう。
小本
こもと
キャリア20年
保有資格
- 宅地建物取引主任士
名古屋市、春日井市、北名古屋市の不動産を中心に取り扱っています。
住宅営業の経験もありますので、土地からの購入スケジュール等、住宅に関するご相談もお気軽にお申しつけください。
