
固定資産税売却時は誰が払うのか?売主買主どちらの精算方法も紹介
不動産を売却するとき、「固定資産税は売主と買主のどちらが負担するのだろう」と疑問に思ったことはありませんか。
特に春日井市のような地域で、初めて不動産を売却する場合、税金の取り扱いで迷ってしまうことも少なくありません。
本記事では、固定資産税の納税義務や日割り精算の仕組み、計算方法、売却後の注意点まで、誰でも納得できるよう丁寧に解説します。これから家や土地を手放す方の不安を解消する内容となっていますので、ぜひご一読ください。

固定資産税の納税義務は誰にある?売却年の原則
固定資産税について、日本全国の自治体において共通する基本ルールがあります。
それは、「毎年1月1日時点で不動産の所有者として登記または登録されている人」がその年度の納税義務を負うというものです。地方税法第343条にもとづき、春日井市においても同様に、この原則が適用されます。
したがって、たとえ年度途中で売却があったとしても、当該年度の固定資産税の納税義務者は売主となります。
この仕組みは、税負担の公正さと所有権の明確な区分を目的としており、年度の途中に所有者が変更された場合でも行政側の課税対象は1月1日時点の所有者に対して行われます。
たとえば、6月に物件を売却したとしても、その年度の税負担は売主が全額負担することになります。
春日井市でもこれと異なる特別な取り扱いはなく、全国の基本ルールと一致します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 課税基準日 | 毎年1月1日 |
| 納税義務者 | 1月1日時点の登記または登録された所有者 |
| 売却後の税負担 | 法律上は売主が全額負担 |
この重要な仕組みを理解しておくことで、春日井市で初めて不動産を売却される方も、税金に関する誤解や不安を避けることができます。

日割り精算の仕組みとは?
不動産を売却した年の固定資産税は、法律上はその年の1月1日時点の登記上の所有者(売主)が全額支払う義務があります。しかし、実務では売主と買主との間で契約書に基づき税負担を按分する「日割り精算」が一般的です。これにより、公平な税負担が可能になります。
日割り精算の計算方法は、年間の固定資産税額を「365日」で割って1日あたりの税額を求め、売主と買主の負担期間に応じて按分することが基本です。たとえば、引き渡し日を境に、それ以前を売主、以降を買主が担う形式がよく用いられます。
起算日は、不動産売買において日割り計算の出発点となる日付で、慣習として多く使われるのは「1月1日」または「4月1日」です。関東圏では1月1日を、関西圏では4月1日を起算日とする場合が多いですが、契約当事者間の合意で任意に決めることも可能です。
| 項目 | 概要 |
|---|---|
| 起算日 | 日割り計算の基準日(例:1月1日、4月1日) |
| 負担期間の区分 | 引き渡し前日までを売主、引き渡し日以降を買主 |
| 計算方法 | 年間税額 ÷ 365日 × 各負担日数 |
春日井市においても、全国と同様に法律上は1月1日時点の所有者に固定資産税の納税義務がありますが、実務では売買契約書に日割り精算の取り決めを明記し、起算日を明確にしておくことが重要です。これはトラブル防止に有効な対応です。

日割り精算の具体的な計算方法
春日井市で初めて売却をお考えの30~60代の皆さまに向けて、固定資産税の日割り精算の具体的な計算方法について、わかりやすくご説明いたします。
まず、固定資産税の年間額は「土地の評価額×税率+建物の評価額×税率」で計算します。標準的な税率は1.4%ですが、多くの自治体では同様の率が用いられています。土地と建物をそれぞれ計算して合算することで、年間の固定資産税総額がわかります。
| 項目 | 計算式の例 | 説明 |
|---|---|---|
| 土地分の税額 | 土地評価額 × 1.4% | 評価額に税率をかけます |
| 建物分の税額 | 建物評価額 × 1.4% | 同様に評価額に税率をかけます |
| 年間合計 | 土地分 + 建物分 | 年間に支払う固定資産税総額です |
この年間額をもとに、起算日から引き渡し日までを売主、引き渡し日以降を買主が負担する形で日割り精算を行います。
起算日は慣習によって異なりますが、関東圏では1月1日、関西・九州などでは4月1日を用いる例が多いです。春日井市は愛知県に所在し、関東に近い地域と同様に1月1日起算が一般的と考えられます。
ちらを採用するかは、必ず売買契約書に明記しておくことが重要です。
起算日が1月1日の例として、年間固定資産税が300,000円、引き渡し日が8月3日の場合をご紹介します。
日数を以下のように計算します:
| 負担者 | 負担日数 | 計算式 | 負担額 |
|---|---|---|---|
| 売主 | 1月1日〜8月2日=214日 | 300,000円 ÷ 365日 × 214日 | 約175,890円 |
| 買主 | 8月3日〜12月31日=151日 | 300,000円 ÷ 365日 × 151日 | 約124,109円 |
このように売主が引き渡し前までの分、買主がそれ以降の分を負担し、買主は精算金として売主に支払います。ただし、うるう年の場合は「366日」で計算する点にご注意ください。
一方、起算日を4月1日にした場合は以下のようになります。同じ条件(300,000円/8月3日引き渡し)において、
| 負担者 | 負担日数 | 計算式 | 負担額 |
|---|---|---|---|
| 売主 | 4月1日〜8月2日=124日 | 300,000円 ÷ 365日 × 124日 | 約101,917円 |
| 買主 | 8月3日〜翌年3月31日=241日 | 300,000円 ÷ 365日 × 241日 | 約198,082円 |
このように起算日が異なるだけで、売主・買主の負担額には大きな差が生まれます。
以上の通り、固定資産税の日割り精算を正しく行うためには、①年間額の算出、②起算日の明確化、③日数による按分計算、④端数処理のルール設定、の順で対応することが大切です。
売却後の翌年以降の納税義務と注意点
不動産を売却した翌年以降、毎年1月1日時点で所有者となっている買主が固定資産税の納税義務者となります。
この原則は全国で共通しており、売却年の固定資産税を売主が負担したとしても、翌年以降については買主の責任となります。
例えば、令和7年(※西暦2025年)に売却して令和8年(西暦2026年)の1月1日時点で所有権が買主に移っている場合、令和8年度分の固定資産税は買主が納める義務があります。これは地方税法に基づく明確なルールです。
| 年度 | 納税義務者 | 備考 |
|---|---|---|
| 売却年 | 売主(1月1日時点の所有者) | 法律上の取得責任 |
| 翌年以降 | 買主(1月1日時点の所有者) | 所有権移転後の通常の課税 |
| 注意点 | — | 清算金が譲渡所得にどう扱われるか検討が必要 |
売主が翌年も固定資産税の納税通知書を受け取る場合がありますが、すでに日割り精算などで負担分を整理していれば、重複して支払うことはありません。そのため、売却時の清算内容や金額の記録は大切に保存しておく必要があります。
また、固定資産税等の清算金(売主が支払った税のうち、引き渡し以降の期間に対応する分を買主が売主に支払う金額)は、税務上では売買代金の取得価額の一部とみなされるため、譲渡所得の計算において必要経費として全額を算入できるわけではありません。このため、確定申告の際には、清算金の処理について専門家に確認することをおすすめします。
さらに、売買契約書には「翌年以降の固定資産税は買主の負担になる」ことだけでなく、清算金の金額の算出方法やスケジュール、再精算の可能性などを明記しておくと、トラブルを未然に防ぐことができます。
まとめますと、翌年以降の固定資産税は買主が納税義務を負い、清算金の税務上の扱いにも注意が必要です。
契約書への記載や領収証の保存など、事前の備えがスムーズな売却につながります。

まとめ
不動産の売却にあたっては、固定資産税の負担や日割り精算の仕組みについて正しく理解することが大切です。基本的に、その年の1月1日時点の所有者が1年分を支払う決まりですが、実際には売主と買主で日割り精算を行う慣習が広く存在します。計算方法や起算日には地域ごとの違いもあり、春日井市でも特有の習慣や注意点があります。日割り精算金や翌年以降の納税についても、契約内容を十分に確認し、トラブルのない円滑な売却を実現しましょう。不明点はぜひご相談ください。
小本
こもと
キャリア20年
保有資格
- 宅地建物取引主任士
名古屋市、春日井市、北名古屋市の不動産を中心に取り扱っています。
住宅営業の経験もありますので、土地からの購入スケジュール等、住宅に関するご相談もお気軽にお申しつけください。
