
不動産相続でデジタル遺言の法的効力は?今後の動向と注意点をご紹介
相続を考え始めたとき、「遺言書ってどのように作ればいいの?」と悩む方も多いのではないでしょうか。
最近では、紙ではなくインターネットや電子データで遺言を残す「デジタル遺言」が話題になっています。
しかし、この新しい遺言の形には、まだ多くの誤解や課題があります。
この記事では、デジタル遺言の法的な効力や、今後の制度動向、そして確実にご自身の意思を遺せる実践的な方法について分かりやすくお伝えします。相続で後悔しないための大切な知識を、この機会にぜひご確認ください。

デジタル遺言とは何かと、現状の法的効力の位置づけ
まず「デジタル遺言」とは、たとえば動画やメール、電子データとして遺言の意思を残す形態を指すことが多く、紙による正式な方式とは異なります。このような形式は日本の現行法においては、形式要件(署名・押印など)を満たさないため、法的な効力は認められていません。つまり、法的に有効な「遺言」としては扱われず、相続手続き上は無効とされます。
とはいえ、こうしたデジタル形式は「遺された方に自分の気持ちを伝える手段」としては有用です。親族間で想いを共有したり、気持ちを形に残したりする補助的な手段として、法的効力はなくとも意味を持ちます。
| 形式 | 特徴 | 法的効力 |
|---|---|---|
| 動画・音声・メールなどのデジタル遺言 | 気持ちを言葉で残せる、紙より手軽 | 現行法では認められない |
| 自筆証書遺言、公正証書遺言など | 法的に認められた方式 | 有効(要件を満たす必要あり) |
| デジタル遺言の補足的使用 | 感情・想いを補助的に伝えられる | 効力はないが意味はある |
政府によるデジタル遺言制度検討の動向と今後の展望
まず、公正証書遺言のデジタル化については、2025年10月1日より開始されることが決定しております。この制度改正により、公証役場に足を運ばず、インターネットを介して電子署名を行い、ウェブ会議による本人及び証人との確認が可能になる仕組みです。遺言の作成手続きはオンラインで完結し、公証役場への移動や手間が軽減されます。
また、電子データとして遺言の保存・交付が可能となり、利便性と安全性が大きく向上します。
一方、自筆証書遺言のデジタル化に関しては、現時点ではまだ検討段階にとどまっており、具体的な制度化の時期は未定です。政府の法務省においても、パソコンやスマートフォンを用いた遺言作成の導入を模索している段階であり、今後の法制審議を経て、ようやく制度として整備される見通しです。
最後に、北名古屋市にお住まいの方にとって、このような制度変化に備える意味は大きいといえます。遠方に公証役場があって出向くのが困難な場合、オンラインによる公正証書遺言の作成は高齢の方やご多忙な方にとって大きな助けになります。また、自筆証書遺言の将来的なデジタル化にも対応できるよう、準備を進めておくことは相続対策としても価値があります。
| 制度項目 | 現状・予定 | 北名古屋市での意義 |
|---|---|---|
| 公正証書遺言のデジタル化 | 2025年10月から実施 | 遠方や高齢の方も自宅で作成可能 |
| 自筆証書遺言のデジタル化 | 現在検討中、時期未定 | 将来的な制度導入に備えることが重要 |
| 制度対応の準備 | マイナンバー等の電子署名準備など | 手続きに慣れておくことが安心につながる |

法的効力を確保するための現実的な対応策
北名古屋市で相続のご準備をお考えの方にとって、デジタル遺言には魅力がありますが、現時点では法的効力を担保する方法として以下の正式な遺言方式が確実です。
| 遺言方式 | 特徴 | 法的効力の有無 |
|---|---|---|
| 自筆証書遺言 | 全文・日付・氏名を手書きして押印。法務局への保管制度も活用可能。 | 手書きの形式として有効。ただし形式不備・紛失・改ざんのリスクあり。 |
| 公正証書遺言 | 公証人が作成し、公証役場で原本を保管。検認不要で安全性高い。 | 法的に最も確実な方式として信頼性が高い。 |
| デジタル公正証書遺言 | 2025年10月からオンライン面談・電子署名・電子保管が可能。 | 公正証書と同等の法的効力を持ち、安全・効率的。 |
※自筆証書遺言については、法務局による遺言書保管制度を利用することで、紛失や改ざんのリスクを軽減し、家庭裁判所での検認も不要になります。
公正証書遺言のデジタル版である「デジタル公正証書遺言」は、2025年10月1日から制度が始まっており、オンラインによる本人確認や電子署名、電子データとしての保管・交付が可能です。
これにより、公証役場への出向の負担が軽減され、高齢の方や遠方にお住まいの方にも利用しやすくなりました。
法的効力は従来の公正証書遺言と同等です。
それでも、デジタル遺言自体には現行制度上で法的効力は認められておりません。本来の法的効力を持たせるためには、自筆証書遺言や公正証書遺言(特にデジタル公正証書遺言)を利用することが現実的かつ安全です。
なお、デジタル遺言は「気持ちを伝える補足ツール」として併用することは一つの方法です。例えば、自筆や公正証書の作成と併せて、デジタルで日頃の想いや付記的なメッセージを残すことで、法的効力と心情の両方を大切にすることができます。

北名古屋市で相続準備を進めるうえで知っておくべきこと
北名古屋市にお住まいの皆さまが相続や遺言の準備を進める際には、まず現行の法制度に則った正式な遺言方式を活用することをおすすめします。たとえば、自筆証書遺言や公正証書遺言は、現行法で法的効力を認められている正式な手段です。パソコンやスマートフォンで作成した「デジタル遺言」は、法的には効力を持たないため、主要な意思表明は従来の制度に基づく方式で行っておくことが重要です。
北名古屋市近隣には、名古屋市東区の葵町公証役場や中村区の名古屋駅前公証役場など、公正証書遺言を扱う公証役場が複数あります。例えば葵町公証役場と名古屋駅前公証役場はアクセスもしやすく、オンライン相談や手続きの予約も可能です。
また、地域の相談窓口としては、北名古屋市社会福祉協議会が司法書士による法律相談や相続・遺言に関する相談会を予約制で実施しています。土地や建物の名義変更、遺言の作成について、初めての方でも丁寧に案内を受けられます。
さらに「デジタル遺言」は、法的効力を持たないものの、ご自身の思いや心情を伝える補足として活用する価値があります。例えばメッセージや付言事項としてデジタルで記録し、ご家族に想いを伝える道具として併用するのも一つの考え方です。
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| 公式な方式 | 自筆証書遺言・公正証書遺言を利用する |
| 地域の手続き場所 | 葵町公証役場・名古屋駅前公証役場などが利用しやすい |
| 相談窓口 | 北名古屋市社協の司法書士相談などが活用可能 |
このように、公的な制度を活用した遺言方式の確立と、地元の相談窓口の利用、そして「デジタル遺言」を補助ツールとして活かす準備を併せて行うことで、安心して相続準備を進めることができます。

まとめ
本記事では、不動産とデジタル遺言に関する法的効力や、近年の制度動向について解説しました。現時点でデジタル遺言は法的効力を持ちませんが、将来的な制度改正が見込まれており、特に公正証書遺言は近くデジタル化される予定です。相続対策としては、現行法に則った正式な遺言方式を選ぶことが安心につながります。一方で、デジタル遺言はご自身の想いを残す手段として有効に活用できます。相続準備を検討される際は、正しい情報を押さえ、地域の窓口も利用しながら着実に進めましょう。
小本
こもと
キャリア20年
保有資格
- 宅地建物取引主任士
名古屋市、春日井市、北名古屋市の不動産を中心に取り扱っています。
住宅営業の経験もありますので、土地からの購入スケジュール等、住宅に関するご相談もお気軽にお申しつけください。
