
名古屋市の空家を放置すると固定資産税は上がる?特定空家や管理不全空家の違いも紹介
名古屋市で空家を放置してしまうと、どのようなタイミングで固定資産税が高くなるのか、ご存じでしょうか。身近な相続や転居の後、長く空家をそのままにしていると、ある日突然税額が大幅に増加することもあります。本記事では「特定空家」や「管理不全空家」といったキーワードを中心に、名古屋市の固定資産税が上がる仕組みや、その条件、実際の対応方法までを分かりやすく解説します。放置リスクを未然に防ぐために、ぜひ最後までご覧ください。
名古屋市における空家の定義と「特定空家」「管理不全空家」とは
名古屋市において「空家」とは、住まいとして使用されていない建物を指し、その管理状態によって「管理不全空家」または「特定空家」に分類されます。国の「空家等対策特別措置法」の改正により、新たに「管理不全空家」が導入されました。これは、適切な管理がなされておらず、放置すると「特定空家」になり得る状態の空家を意味し、長期間人が住んでおらず、軽微な損傷や雑草の繁茂などが認められた場合に該当する可能性があります。
一方、「特定空家」とは、屋根や壁の倒壊の恐れ、害虫・害獣の発生、衛生上有害な状況、あるいは景観を著しく損なう状態など、周辺環境に重大な悪影響を及ぼしている空家を指します。
これらの分類は固定資産税の課税に深く関係します。住宅用地として税の軽減が認められる特例が、「管理不全空家」や「特定空家」に認定・勧告された場合、適用対象から除外されてしまうため、税負担が大きく変化する可能性があります。
以下に、分類と固定資産税の関係性を整理した表を示します。
| 分類 | 状態の特徴 | 住宅用地特例の適用可否 |
|---|---|---|
| 管理不全空家 | 放置されており、将来的に特定空家となるおそれがある | 適用除外の対象となる可能性あり |
| 特定空家 | 倒壊や害虫・衛生問題など、周辺に重大な影響を与えている | 適用除外(税負担が増加) |
| 通常の空家 | 適切に管理され、現時点で重大な影響がない | 住宅用地特例の適用対象 |
住宅用地特例とは何か、空家放置による適用除外の仕組み
まず、住宅用地特例とは、住宅が建っている土地に対して固定資産税・都市計画税を軽減する制度です。名古屋市では、住宅1戸につき敷地の200平方メートルまでを「小規模住宅用地」とし、その部分の固定資産税は評価額の6分の1、都市計画税は3分の1に軽減されます。また、200平方メートルを超える部分は「一般住宅用地」とされ、固定資産税は評価額の3分の1、都市計画税は2分の1です(名古屋市公式ウェブサイト)。
ところが、空家対策の法令に基づき「特定空家等」や「管理不全空家等」として名古屋市から勧告を受けた場合、その敷地は住宅用地特例の対象から除外されます。つまり、たとえ住宅が建っている土地であっても、特定または管理不全と認定されると減税の恩恵が受けられなくなり、税負担が急増するリスクがあります(名古屋市公式ウェブサイト)。
以下の表は、特例適用と除外の場合の違いをわかりやすくまとめたものです。
| 区分 | 住宅用地特例適用あり | 除外(特定・管理不全空家等) |
|---|---|---|
| 小規模住宅用地(~200㎡) | 固定資産税:評価額の1/6 都市計画税:評価額の1/3 | 評価額×税率(軽減なし) |
| 一般住宅用地(200㎡超) | 固定資産税:評価額の1/3 都市計画税:評価額の1/2 | 評価額×税率(軽減なし) |
| 特例の有無 | あり | なし |
具体的には、たとえば小規模住宅用地として特例が適用されていた場合、所在地によって課税標準が1/6になり、納税額が大きく軽減されます。しかし、特定空家等に認定されれば、その土地は特例対象外となり、通常通りの評価額に税率を掛けた額が課税標準となるため、税負担が大幅に増加します。

実際に税額が上がる期間や条件について
名古屋市では、空家を放置した期間に応じて「管理不全空家等」や「特定空家等」に該当する可能性があり、これらに指定されると住宅用地特例が適用除外となり、固定資産税が大幅に増加します。
| 区分 | 指定される条件 | 住宅用地特例の扱い |
|---|---|---|
| 管理不全空家等 | 適切な管理が行われておらず、このまま放置すれば特定空家になる恐れがある | 指定された段階では特例除外となる可能性あり |
| 特定空家等 | 倒壊・衛生・景観などに著しい悪影響がある状態 | 住宅用地特例の対象から除外(固定資産税、都市計画税が増加) |
国の法改正により、2023年以降、管理不全空家という中間的分類が設けられました。管理不全空家等に指定されると、勧告を受けた時点で住宅用地特例が解除され、税額が最大で6倍になる可能性があります。これにより、従来の放置に対する税優遇が一転して負担増となるリスクが生じています。さらに改善を行わない場合、次の段階で特定空家等に移行し、強制措置や罰則の対象になることもあります。名古屋市でも同様の運用がなされており、勧告のタイミングで特例が外れる点にご注意ください。

:放置を避けるために今すぐできる名古屋市での対策
空き家が「管理不全空家等」や「特定空家等」と判断される前に、所有者ご自身でできる具体的な対応があります。まず、建物や敷地の定期的な点検・清掃、風通しや換気の確保、草木の伸びすぎ防止、雨漏りや外壁の傷みの早期発見など、日常の管理を心がけてください。こうした基本的な手入れにより「管理不全空家等」とされるリスクを大幅に軽減できます(名古屋市条例・空家法に基づく所有者の責務)。
また、遠方にお住まいなどで日常の管理が困難な場合は、公社「名古屋市シルバー人材センター」と連携して提供される「空き家管理サポート」をご活用ください。剪定や巡回などの管理業務を依頼することで、適切な状況を維持しやすくなります。
さらに、以下の表のように、名古屋市が提供する制度や相談先を選択肢として整理しておくと、対応の幅が広がります。
| 対策内容 | 具体例 | 期待される効果 |
|---|---|---|
| 日常的な管理 | 清掃・換気・草木伐採・建物点検 | 「管理不全空家等」に指定される可能性を低減 |
| 空き家管理の外部委託 | シルバー人材センターへの依頼 | 遠隔地でも定期的な維持が可能に |
| 相談窓口の活用 | 住まいの窓口や区役所相談、専門家相談 | 具体的な対策や補助制度の案内が受けられる |
相談窓口としては、オアシス21内にある「住まいの窓口」にて、空き家の利活用や管理に関するご相談を受け付けています。専門家による特別相談も予約制で行われており、税金、登記、リフォームなどの相談に対応しています。
そのほか、名古屋市内各区役所の「地域力推進室」でも、管理不全空家等についての相談が受けられます。お住まいの区役所に直接ご相談いただくことで、より地域に即したアドバイスが得られます。
早めに適切な対応を行うことで、空き家が「特定空家等」に認定され、住宅用地特例の適用が外れて固定資産税が増加するリスクを回避できます。所有者にとっては税負担の軽減になるとともに、地域の安全や景観保全にも貢献する重要な一歩です。
まとめ
名古屋市で空家を放置すると、状況によっては「特定空家」や「管理不全空家」に指定され、住宅用地特例の適用外となることで固定資産税額が大幅に増加します。特例対象から外れると負担が一気に重くなるため、早めの管理や相談窓口の活用が重要です。空家のまま放置するリスクは家計や将来の資産にも影響しますから、現状の確認と必要な対策を今から始めることが安心につながります。不安な点は放置せず、気軽にご相談ください。
熊田 典巨
キャリア15年
保有資格
- 宅地建物取引士
- 住宅ローンアドバイザー
- 損害保険募集人
専門分野
名古屋市・北名古屋市・春日井市の不動産を専門に取り扱っています。
住宅用地や中古住宅、中古マンション、収益物件などがメインですが、取引トラブルの多い土地売買が得意です。


